■ 永久に続く日々などなく、今一日を生きる

ss形式で何気ない日常のを綴ってみる

「ふぁ・・・・ぁ」

　スプリングのすの字もない板張りの貧相な寝台の上、身じろぐたびにきしきしと軋む寝台を盛大に軋ませ、私は寝台上で身体を伸ばす。
なんて事の無い、誰もが行う様な朝の儀式、脳みその覚醒率は15％弱、殆ど眠ってる意識の中寝台を這い出し、朝一番用をたす、簡素なそれが酷く不快な音を立て、タンク部分に汚物をためる音一歩と歩かない場所に流し、コックを捻りタンクから流れ出た水をつかい固形洗剤を引っつかみ顔をがしがしと洗う、大して立っていない泡を洗い流して何も付けない歯ブラシを口に含む、覚醒率30％薄っすらと視界が明瞭になりやっと時間を確認、その間も歯ブラシを動かす手は止めない、6:45　いつも道理の時刻を確認するとその頃には40％位、歯ブラシを咥えたまま大あくび、カップをひっつかむと口を濯いで、濯いで、三口目からはごくごくと飲み込む、歯ブラシとカップをラックに、私は寝台に腰掛、一息、50％弱。

　そのまま、家で一番広い平地である寝台の上でストレッチ、前屈を初めとするメニューを一時間ほど、コレを欠かして命を落とすような間抜けにはなりたくない新米冒険者としては毎日欠かさず行う、なる前からの日課ではあるけども。

　簡素な朝食を作りに流しに、流し台の下からパン一斤と卵を一つ取り出し調理、卵を焼くだけ、その間に流し台の下に吊ってある干し肉をナイフで少し切り取り匂いを嗅ぎうなずく、腐ってたの喰って腹下したりなどしたら笑いものだと考えて60％ほどの覚醒、ほぼ平常状態。

よく噛んで朝食を食べる、パンは丸ままかじりつく、かたい、干し肉は唾液でうるかして咀嚼し嚥下する、かたい、卵はフライパンのまま食卓、目玉焼き、なにも付けず口にする、美味、立ち上がりフライパンを流しで洗いカップで水をのむ、相変わらず鉄くさい。
くぁーと大きな伸びをして伸びたからだを今度は縮ませてようやっと衣服をみにまとう、今日はドラゴンズゲートに潜る予定だということを思い出した貧弱な脳味噌で、乏しい衣装の中からブラを引っ張り出し肩紐を通ししばらく格闘して後ろのホックをとめる、もそもそと収まりのいい場所に乳を収める、あいも変わらず邪魔なサイズだ、体にフィットするズボンとぴちぴちのキャミ型の上着を着ると妙にぴちぴちで、ふっとったか？とおもったが、どうやら少しそだったらしい、迷惑な話だ。
袖をとうして今日も思案する、どうしてこんな露出の高い服をきてるか、答えは簡単、仕立てがよく安かったから、・・・・もうちょっと思慮してから買うべきだったといつものごとく後悔、ベルトでマントを止め金属製のベルトを止める、このちゃらちゃらしたのが意外と使えるんだよね、・・・肉弾戦で。
蒼石のペンダントをトップだけ衣装に、胸元につける、以前いた施設で、もらったものだ、髪飾りとともに皆にもらったこれは、戦いに出るときはいつもつける、もはら私にとってのお守りだ。
適当に髪を梳かしゆるめにミツアミ、クナイを髪先にとめ軽く頭をふる、かしかしと音がなる、金属が当たる、武器が手近にある音に安心するのはいい加減心が病んでいるのかもしれない、刃物好きは昔からだが。
作りかけの仕立物の山から手袋を取り出し手にはめる、きゅきゅっという、革製品特有の音を立てて手を開閉する。
準備を整え家を後にする、ついでに戸は壊れて使い物にならなかったからベニヤを変わりにつけた戸は、我ながら立て付けが妙だ・・・・。

さて・・・・・・・・・・・きょうも元気に冒険しますか。